介護職の社会的評価はとても低い。
その理由は、仕事のイメージ、そして賃金の安さが要因だ。
まず仕事内容は、決して楽に出来るものではない。
足腰が不自由な利用者のトイレやお風呂を介助する際は、利用者の全体重を支えなければいけない。
寝たきりの状態であれば、オムツの交換も必要だ。
食事介助をする時は誤嚥しないよう、特に気をつけなければいけない。
認知症が始まっている利用者からは、理不尽な事で怒鳴られる事もあり、また何かトラブルがあった時は利用者の家族からもクレームをつけられる事もある。
肉体的にはもちろん、精神的にもきつい現場なのだ。
このような大変な仕事であるにも関わらず、他の仕事に比べて賃金が安いのが問題だ。
例えば、同じように3Kと言われているのが看護師だが、看護師はその仕事に見合った給料が貰える。
介護士の場合は、元々基本給が少ない上に、残業しても「みなし残業」を採用している事業所も多く、働いた分の対価が支払われていないのだ。
こういった現状から、常に介護の現場は人材不足に悩まされている。
多くの施設では、頻繁に求人募集をしている状態で、他の職種からの転職者もすぐに受け入れる。
結局、介護職なら誰でも出来るというイメージが世間についてしまい、社会的評価を下げてしまっているのだ。
高齢化社会が進む中、各施設では人材確保が急がれるが、まずは離職率の高さを改善しなければいけない。
そのためにも、介護職にかかる身体的負担の軽減や賃金アップが期待されている。